2022.09.30
直火禁止のキャンプ場が増えた今、焚き火には焚き火台がマストアイテムなわけだが、いったい、いつ頃登場し、どんなふうに進化していったのだろう? 今回は2000年代以降を紹介。
写真下の商品名に★印がついているものは現行モデルあり。
〈2005年〉
小川キャンパル「焚き火ボックス」誕生
秋冬はキャンプ場の時計型薪ストーブを借りてキャンプを楽しむ人たちが多かった。小川キャンパル(現キャンパルジャパン)は、時計型薪ストーブを思わせる煙突なしの箱型焚き火台を開発。
ガレージブランドという呼び名がなかった時代、「世界一小さなアウトドアメーカー」ホリデーロードが、小さくてよく燃える焚き火台を開発。「VHSのケースに入れて持ち運べる」とバイク好き、カヌー好きの間で評判になった。ケースの入手が難しくなったそうで、今後はケースの形が変更されるかも!?
井桁に組んだ薪のようなデザインで、燃焼効率の高いステンレスファイアープレイスが誕生。深型で薪を放り込むだけでいい手軽さと、ダッチオーブンを受け止めるハンドル付きという機能性が受けた。
【この時期のトレンド】
よく燃えて美しく炎が上がる焚き火台が人気。
〈2009年〉
キャプテンスタッグ「ヘキサ ステンレス ファイアグリル」販売
パッと広げるだけで準備でき、ダッチオーブンがすっぽり入る深型焚き火台。とにかく簡単で深型らしくよく燃えること、さらにコスパのよさも相まってヒットした。現在はひと回り小さな「M」も仲間入り。
【この時期のトレンド】
ソロ用もファミリー向きも、より小さく収納でき、簡単に組み立てられる焚き火台がヒットした。
〈2010年ごろ〉
ウルトラライトという考えが広まる
2000年ごろにアメリカで生まれたウルトラライトというスタイルが、2010年ごろより日本に浸透。登山ブランドからシンプルな超軽量ギアが続々誕生した。
〈2011年〉
ソロストーブがアメリカで創業
アメリカで頑丈で軽くて環境にやさしいソロストーブが誕生し、焚き火シーンに “二次燃焼”という言葉を広めた。クラウドファンディングで資金を募って開発する、いまどきのスタートを切ったことも記憶に新しい。日本での取り扱いはアンプラージュ インターナショナル。
【この時期のトレンド】
二次燃焼を促すコンパクトな二重壁ウッドバーニングストーブが話題になった。
ピコグリルがスイスで創作される
STC社のブルーノが従来品を参考にすることなく、イチから開発したピコグリル。500g以下の超軽量でフラットにたたむことが可能。世界中のハイカーを驚かせた。
【この時期のトレンド】
焚き火台の軽量化に拍車がかかる。
〈2012 ~2015年〉
エンバーリッドやファイヤーボックスなど小さな焚き火台が話題に
エンバーリッドやファイヤーボックス、バーゴなど、超軽量の箱型焚き火台がキャンパーのあいだでも評判に。以降、大小問わず、プレートを組み合わせて作るフラット収納の焚き火台が徐々に増えてきた。
〈2016年〉
ペトロマックス「ファイヤーボウル」がヒット
複雑な組み立てに辟易したキャンパーの心をつかんだのが、プレートタイプの焚き火台・ファイヤーボウル。鉄板のような無骨なデザインが新鮮に映り、多くのキャンパーが手に取った。日本での取り扱いはスター商事。
【この時期のトレンド】
プレートタイプの焚き火台がブーム。
〈2019年〉
トリパスプロダクツ「グルグルファイヤー」誕生
2000年代後半より、ガレージブランドが次々参入して焚き火台を生み出している。筆頭がトリパスプロダクツのグルグルファイヤー。アートのようなデザインが話題となり、その後、魅せる焚き火台が増加した。
【この時期のトレンド】
魅せる焚き火台が台頭。ガレージブランドが続々参入。
出典/ガルヴィ2021年6月号