達人たちのツーキャンなう。あなたの旅道具見せてください! Vol.6(デイトナキャンプ部編) - OTONA GARAGE

達人たちのツーキャンなう。あなたの旅道具見せてください! Vol.6(デイトナキャンプ部編)

逢坂 聡 文/高梨達徳

ツーリングキャンプを楽しむ旅の達人たちは、実際にどんなギアを使っているのだろうって、気になることってありませんか?

参考にしたい積載スタイルや、思わず真似したくなるギアの使い方など、新たな発見に出会えるかもしれません。そんな手本にしたくなるようなツーキャンマスター(ツーリングキャンプマスター)をご紹介する連載企画。オートバイ用品メーカー「デイトナ」内でツーリングキャンプを楽しむオトナな趣味人の集い「デイトナキャンプ部」のメンバーのご紹介も、今回が最後となりました。スズキ・Vストローム250で颯爽と登場したのは、雪山登山など、本格的なアウトドアを楽しんできた経験を活かし、テントなどのギア開発を担当する森山環姫さん。「テントは休むだけの道具だった」と話す、登山とは180°違う楽しみ方ができていると話すツーリングキャンプのギアについてお話をお伺いしました。

憧れのバイクで休日の過ごし方が一変

まずは、改めて森山さんの愛車であるVストローム250からチェックしていきましょう。

「普通二輪免許を取得中から気になっていました。実はこの前に、中古のオフロード車を入手していたんですが、あまり状態の良い車両ではなくて……。少しトラウマになりそうでした(汗)」

憧れの1台に乗り換えてからは、オートバイの楽しさに目覚め、休暇をうまく組み合わせてロングツーリングキャンプに出かけているそうだ。

そんな愛車のお気に入りポイントは、しっかりと荷物を収納できるサイドケース。これまで参加したイベントのステッカーや、ちょっとしたスリキズはVストロームと刻んだ旅の思い出だ。

「ある時、このサイドケースに重量のある大物ギアを詰め込めば、トップケースに余裕もできるし、重心が低くなるのでフル積載でもバイクの取りまわしが楽なんじゃないかと考えたんです」

軽量コンパクトだけが、ツーキャンの魅力じゃないんですよ。

「すべての荷物を背負わなければいけない登山より、バイクに積載できるツーリングキャンプはギア選択の幅が広がりますね」

そう話す森山さんのギアは、軽量コンパクトだけではなく、道具に制限のあった登山の際には楽しめなかったキャンプ料理のアイテムを中心にキャンプサイドでの時間を楽しむようなアイテムをセレクト。その中でもお気に入りの5アイテムをご紹介いただきました。

1.DAYTONA OUTDOORS neGla MAEHIROドーム

「チェアとテーブルを置いてくつろげるだけではなく、就寝時にはヘルメットやプロテクターなど、外に出しっぱなしにしたくないアイテムを収納できるソロテントを考えました」

森山さんが手掛けたのは、しっかりと前室があり、別売りのポールを使えばタープ使用できて広く快適なサイトを設置できるソロ用テント。

「テントは寝るだけではなく、キャンプでくつろげるギアのひとつにしたかったんです」。

2.ユニロウ ソロキャスト16

「本格的なキャンプ料理に調整したいと思った時に、よくあるスキレットやホーローの調理器具だち、ちょっと重くて持ち運びに不便だなと思っていたんです。そんな時に見つけたのがソロキャスト16でした」

燕三条の老舗鋳物屋が2014年に立ち上げた「ユニロウ」は、大手のダッチオーブンなどを手掛けてきたノウハウを活かし、独自の視点から扱いやすい調理器を展開しているブランド。

「この薄さで割れにくいスキレットを作れる技術はここだけみたいですね。お肉などを焼いてもスキレットらしいワイルドな焼き加減に仕上がります」。

3.サーモス 真空断熱ステンレスボウル

「ちょっと料理を取り分けたりスープをよそえる食器をいくつか試してみた中で、自分的にナンバーワンだったのがサーモスでした。今の時期なら、ずっと料理が温かいままいただけますよ」

真空断熱構造のステンレスボウルは、料理が冷めにくいだけではなく、食器自体の熱量が押さえられているので、スープなどを注いでも手に保つことができるそう。すっかりと深さがあり、手のひらにギリギリ収まるこのサイズが森山さんのお気に入りだ。

OTONA GARAGEでは、より軽量なスノーピークの中空二重構造である「チタンダブルボウル」などを発売中です。

4.UCO キャンドルランタン

真鍮製のランタンは、tatsumaki製のオイルインサートが組み込まれたもの。燃費だけでなく、密閉性能が高いインサートは、ツーリングキャンプにもってこいなんだとか。

「キャンドルのやさしい灯火も好きですが、調理の時などは、しっかりと手元を確認したいので、オイルランタンの明るさの方が重宝しています」

5.CLAYMORE ウルトラ M

「バツグンの光量はもちろん、手持ちでも使えますし、クリップでどこにでも引っ掛けられるので、サイトでは大活躍しています」

クレイモアを代表するウルトラシリーズは、長時間点灯できるパワフルなバッテリーも長期間ツーリングを楽しむライダーにとっては、頼もしいの一言。モバイルバッテリーとしても使用できるのも心強い。

テントで縦走する登山に比べると、道具のチョイスやテントサイドの過ごし方には、楽しみ方がまだまだ広がりそうだと話す森山さん。本格的なアウトドアスキルと、ツーリングキャンプを融合した、これまでにない新しいスタイルが、あまり遠くない未来に誕生するかもしれませんね。

森山環姫さん

開発とはまったく無縁の部署での採用だったが、趣味の冬山登山など本格的な外遊びスキルが評価され、アウトドアギア開発に抜擢。本気の野営スタイルから、女性らしい目線で新しいツーリングキャンプの楽しみ方を提案している。