【連載】バイク声優・難波祐香の「ソロキャンプに行きたい!」
【第6回】ガスバーナー、どれを買おう?

→【第5回】バイクで焚き火を楽しみたい! ~焚き火の着火と維持~

愛車はSRV250。

キャンプ、基本的なものは持っているけれど、もっともっと知りたい難波祐香さん。テントやシュラフ、焚き火道具ときて、次に買うならバーナー。各社からいろんなタイプが出ているけれど、今回は、ガスを燃料とするバーナーについて、神奈川県小田原市のsotosotodaysの大隅宏貴さんに教えてもらうぞ。大隅さんはバイクでのキャンプツーリングの経験も豊富なのだ。

難波さんの質問にいろいろ答えてくれるのは、バイヤーの大隅宏貴さん。
自らもSRX6でのキャンプ経験も豊富。今回は、ガス缶の違いと、一体型・分離型の違いをじっくりとお聞きしました。
大隅「ガスバーナーの特長は、瞬時に安定した火力が得られることと、火力の調整が簡単なことです。一方、寒さには弱めです。また、どのような調理をするかで選択肢も変わります。自分のスタイルを考えて、選択していきましょう」

ガスバーナーの選び方
大隅「まず、ガス缶が2タイプ。CB缶(カセットボンベタイプ)とOD缶(アウトドアタイプ)です。どちらも原則、メーカー純正のガス缶を使用すべきですが、CB缶はスーパーやコンビニでも安価で入手できます。ただし、そういうものは火力が弱い。OD缶はアウトドアショップなどで買え、CB缶より高めですが、高火力。この『入手しやすさ』は購入の判断の基準の一つになります」
大隅「また、形状として、ガス缶一体型と分離型があります。一体型は軽量コンパクト、分離型はゴトクが大きく安定性があります。CB缶タイプは一体型でも横置きなのでゴトクは大きい。ゴトクやバーナー部が大きく、低い位置にあると、調理がしやすいので、『調理重視』かどうかが、もう一つの判断基準です」
難波「バーナーとクッカーは切っても切れない関係なんですね。CB缶タイプは調理しやすいものが多いですが、収納時はOD缶タイプより大きく重い感じ。でも、バイクでのキャンプでは、重さや大きさを登山ほど重視しなくていいので、選択肢が幅広いですね」
そう、特長と合わせて、その製品やメーカーが刻んできた歴史をじっくり調べ、総合的に選んでこそ、愛着が湧くに違いありません。皆さんの好みに合うのはどのタイプですか?
過酷な環境に鍛えられた驚異的な小ささと軽さ

大隅「一体型にも分離型にもできるのが特長。とにかくコンパクトで軽く、火力も強い、MSRらしく過酷な環境向けのモデルです。リモートアダプターはガス缶が離れるのでクッカーからの輻射熱の心配が少なく、大きなクッカーも安定します」
難波「見た目も色もかっこいいです。アダプターを使うとホットサンドメーカーなどがグッと使いやすくなりそうで、料理の幅も広がりますね」

ローダウンリモートアダプターを装着した状態。火力調整のノブが本体から離れるので、調理中の操作がしやすい。脚は右上写真のように、回転させて畳める。

ヘッドの直径は実測で約33mm。1Lの水を約3.5分で沸騰させる。着火装置はないのでライター等が必要。

本体の小ささ、軽さは驚異的。アダプターと合わせても両手に収まる。登山や徒歩キャンプにも行くならこれ一択。
【商品概要】
ブランド名:MSR
商品名:ポケットロケット2
価格:9020円
●本体折りたたみサイズ:3.4×4.4×7.9cm、ケースサイズ:5.2×5.0×8.8cm(実測)
●重量:73g(ケース、ガスカートリッジ除く)
●最高出力:2143kcal/h
●使用可能燃料:専用OD缶(イソプロ)

【商品概要】
ブランド名:MSR
商品名:ローダウンリモートストーブアダプター
価格:8,800円
●収納サイズ:7.5×3.5×13.5cm(実測)
●重量:180g

超ロングセラーの強力型バーナーの先駆者

大隅「燃焼効率がよくてハイカロリー、登場から37年も愛され続けている、シングルバーナーの代名詞的存在です。X字型の大きなゴトクが風防となるので、一角の火が消えても他の面は消えず、すぐに復活します」
難波「この大きなゴトクのおかげで、一体型でもクッカーが安定しますね。キャンプのバーナーといえばこの形で、憧れがあります。バイクなら重さはあまり関係ないかな」

強力な風防を兼ねるゴトク径は120mmで、中心部まであるので、ゴトクからクッカーが落ちる心配が少ない。バーナーの基部を取あり外せるので収納時の高さは低い。青白い炎が立つ。着火後、即安定するのはガスの強み。圧電点火装置付き。

付属品の黒いソフトケースに入れ、トランギアのラージメスティンに収納してみた。これだけの余裕があるので、食材や調理関係のいろいろを収納できます。
【商品概要】
ブランド名:イワタニ
商品名:PRIMUS(プリムス) 2243バーナー
価格:8,800円
●収納サイズ:10.7×10.7×5.9cm
●重量:253g(ケース、ガスカートリッジ除く)
●ゴトク径:12cm
●最高出力:3600kcal/h
●着火装置付
●使用可能燃料:専用OD缶

独特な形状のゴトクで料理しやすい、高火力バーナー

大隅「ゴトクはφ5mmと太く大きく、耐荷重も大きい。先端が鈍角に曲がっているのがポイントで、このおかげで、クッカーがゴトクの間から滑り落ちたりすることがありません。そして、火力が強い。料理には強力な味方です」
難波「本当に調理しやすそうですね。バエご飯作るならこれがよさそうです。分離型は火力調節が火から離れてできるのがいいです」

ゴトクが大きく、ガスホースは実測で直径8mmほどあるので、収納時もそこそこの大きさ。収納ケースが付属。圧電点火装置付き。

バーナーの直径は実測で約50mm。別売りのバーナーパットを使えば火の面積が広がり、料理の幅を広げるトロ火が使えるようになるのは、分離型ならでは。
【商品概要】
ブランド名:ユニフレーム
商品名:セパレートバーナー US-S
価格:11,000円
●収納サイズ:12.5×13×7.5cm(ホースの長さ約35cm)
●重量:450g(ケース、ガスカートリッジ除く)
●ゴトク径:12cm
●最大火力:3000kcal/h
●耐荷重:約5kg
●着火装置付
●使用可能燃料:専用CB缶

独自のマイクロレギュレーターで安定火力を実現

大隅「安価で安定、安全な、標準的なモデルです。脚に滑り止めが付くなど、ロングセラーだけあって改良が進んでいます。テーブルから溶岩石プレートまで、純正も社外もオプションがいろいろあります。風対策として、専用のウインドスクリーンがおすすめです。燃費も向上します」
難波「ドレスアップパーツもたくさん。自分の好きな色のパーツをつけたりするのはバイクのカスタムに通じますね」

一体型とはいえ、分離型と変わらない形状、安定感。ゴトクは外径130mm。
バーナー部は直径47mm。マイクロレギュレーターにより外気温が低下してボンベが冷えても安定した火力を発揮します。着火装置は火力調整ノブの下にあります。
【商品概要】
ブランド名:ソト
商品名:レギュレーターストーブ ST-310
価格:6,930円
●収納サイズ:15×7.5×9cm
●重量:330g(ケース、ガスカートリッジ除く)
●ゴトク径:16.5cm
●発熱量:2500kcal/h
●着火装置付
●使用可能燃料:専用CB缶
