達人たちのツーキャンなう。あなたの旅道具見せてください! Vol.1
写真/逢坂 聡 文/高梨達徳
ツーリングキャンプを楽しむ旅の達人たちは、実際にどんなギアを使っているのだろうって、気になることってありませんか? 参考にしたい積載スタイルや、思わず真似したくなるギアの使い方など、新たな発見に出会えるかもしれません。そんな手本にしたくなるようなツーキャンマスター(ツーリングキャンプマスター)をご紹介する連載企画が始まります。第1回は東京の水道橋でキャンプスタイルなカフェ&バーを営むA-sukeさんにお話を聞いてみました。
「このバイクを手に入れたのは2021年のこと。実はフルサイズのバイクを所持するのは、6年ぶりなんだよね」。そう話すのは、水道橋でキャンプスタイルのカフェ&バーを「BASE CAMP」を営むA-sukeさん。愛車は、名車と言われる空冷オフロードモデルのHONDA XR250Rだ。
A-sukeさんの愛車は、軽量でパワフルな空冷エンジンと高性能な足まわりが人気のオフロード走行専用モデル。日本だけではなく世界的に大ヒットした名車のひとつで、1986年以降に登場したME06と呼ばれる逆輸入車だ。お店を営みながら、ここ数年は自転車やカヤックを使用して大自然の旅を楽しんでいるA-sukeさん。もう一度バイクキャンプを楽しもうと思ったきっかけは、趣味である渓流釣りのために川沿いを走りながらキャンプを実現するため。「そのために、コンパクトに収納できるロッド(釣竿)を岩手までバイクで購入しに行きました(笑)」
そんな、自分の身体ひとつで旅をしてきたA-sukeさんのギアは、軽量でコンパクトに収納できるULと呼ばれるウルトラライト系ギアが多く、基本的には防水バッグ1つに収まるサイズに収められている。
約1,160gと驚くほど軽いパーゴワークスのNINJA TENTや座布団サイズに切り分けられたニーモのマットレスなど、スタイルに合わせて使い込まれたギアの中で、ここ最近のお気に入りベスト5をご紹介。
折りたたんで収納できるソフトタイプのクーラーボックスは、キャンプやハイキング、自転車の旅向けにギアを展開している東京の昭島発のガレージブランド『asobitogear』のもの。「まだ購入したばかりで実際にしっかり支えていないんですが、ずっと保冷するというよりも現地で買った冷たい飲み物などをキープするためのアイテム。山の中の河川敷や野営地で冷たいビールが飲めるなんて、自分のキャンプの概念を覆すかもしれないギアです」
「SIGGのガソリンストーブ『ファイヤージェット』は、KTMのアドベンチャーに乗って北海道など、若い頃からツーリング旅では必ず使用していたバイクキャンプの必需品。携帯缶のガソリンが尽きても、タンクから吸い上げて使えるので、燃料切れの心配がないのがいいですね」
レザーマンのマルチツールは、昔からバイクに乗る時に必ず携帯している道具。もしもの時のメンテナンスはもちろん、ナイフやノコギリなど、これひとつにキャンプサイトで必要な要素が詰まっているそう。「このメーカーの特徴でもあるプライヤーは、車両のメンテから鍋つかみまで本当にマルチで使えて便利ですよ」
ロールトップ式のビニールバッグは、テンマクデザインと漫画「山と食欲と私」のコラボアイテム。「本来の使い方はゴミストッカーなんだけど、焚き火で使うクッカーなど煤汚れが気になるアイテムをスタッキングして収納しています。素材的に洗いやすいくて値段もお手軽なので本当にオススメなんですが、もうひとまわり大きいタイプがあると嬉しいんですけどね(笑)」
最後のアイテムは、A-sukeさん自身がプロデュースしたソロキャンプ用焚き火台『男前ファイヤグリル』。約500gと小型で軽量な上、ワンタッチで組み立てられる焚き火台は、チタン製のゴトク付きで、本格的な調理が行えるギアだ。「V字型の縦長形状なので、大きめの薪も使えるし、風が強い時は向きを変えると過燃焼を防ぐことができます。男前グリルプレートを使えば、厚めの肉だって調理が楽しめます」
外遊び好きなA-sukeさんならではの、無駄なくセレクトされたUL系を中心とした機能重視な5つのアイテムは、あなたのキャンツースタイルを大きく変化させるキーアイテムになるかもしれません。
今回、ギアを紹介いただいたのは、水道橋でアウトドアをコンセプトにしたカフェ「BASE CAMP」のオーナーであるA-sukeさん。バイクはもちろん、自転車旅やカヤック、狩猟などアウトドアなアクティビティギアを幅広く楽しんでいる。キャンプギアの開発から、キャンプで楽しむ男前なレシピなど、ご自身の体験をもとに様々なプロデュースもおこなっている。