達人たちのツーキャンなう。あなたの旅道具見せてください! Vol.5(デイトナキャンプ部編)
写真/逢坂 聡 文/高梨達徳
ツーリングキャンプを楽しむ旅の達人たちは、実際にどんなギアを使っているのだろうって、気になることってありませんか?
参考にしたい積載スタイルや、思わず真似したくなるギアの使い方など、新たな発見に出会えるかもしれません。そんな手本にしたくなるようなツーキャンマスター(ツーリングキャンプマスター)をご紹介する連載企画。今回登場いただくのも、カスタムパーツからメンテナンス用品、快適にツーリングを楽しむアイテムなど、オートバイ用品メーカー「デイトナ」でアウトドア部門のリーダーを務める落合篤さん。ご自身の手がけるアウトドアギアの中に光る、こだわりに注目です。
苦手だったキャンプのイメージが180°変わりました
落合さんの愛車はネオクラシックなルックスと、Lツインエンジンの鼓動が魅力のDUCATI スクランブラーです。
「これまでの愛車は単気筒と2気筒ばかりだったんですが、その中でもスクランブラーは足つきも良く取り回しやすいですね。歴代で一番扱いやすいバイクかもしれません。エンジンもトルクフルでパワーも満足。レトロなルックスも気に入っています」。
そんなエクステリアに合わせたのが、GIVIのアルミサイドケース「TREKKER DOROMITI」。昔から金属を使い込んで思い出と共にエイジングされていく姿が好きなんだとか。
「見た目だけではなく片側で36Lと大容量なので、たっぷり詰め込めますよ」。
トップケースは装着せず、落合さんがかつて開発を担当していたというヘンリービギンズの「ツーリングシートバッグ Lサイズ」のバッグをチョイス。
「サイドケースがあるので、シートバッグはこのサイズでも少し余裕があるくらいですよ」
実は落合さん、アウトドア部門の担当になる前は少しキャンプに苦手意識があったそう。
「その昔、イベントに出展した時にキャンプ泊をしたんですが、夜中に天気が大荒れになってしまって、あまり眠れなかったんですよ。でも、開発を担当するようになって、回数を重ねていくうちに、すっかり楽しめるようになりました」
本邦初公開? 現在テスト中のギアも紹介します!
基本的にキャンプサイトの構成は自社ブランドである「デイトナアウトドア」のアイテムを使用している落合さん。その中に、ウェブサイトでも公開されてのないギアが数点あるではないですか!?そんなお気に入りアイテムベスト5をご紹介いたします。
1.DAYTONA OUTDOORS neGla ワンティピー
この夏に登場したティピー型ワンポールテント「ワンティピー」は、簡単に設営ができる手軽さが魅力。ハーフサイズのインナーテント付きなので、広々とした前室がありながら就寝スペースもしっかり確保。
「サイドを左右に引っ張って、より室内空間が広くなるように設計してあります。サイズもサイドケースに入るよう収納サイズを46cm以下に収めました」。
これまで、ワンポールテントは大型サイズが多く、なかなかツーリングキャンプでの出番がありませんでしたが、LOGOSの「TC Tepee 2ルーム」やogawa「タッソ」など、バイクでも持ち運べるサイズのラインナップも増えている、いま注目のアイテムです。
2.DAYTONA OUTDOORS neGla ホシゾラハイブリットマット
「積載量が限られている中で、いかに快適グッズを持ち込めるかというのを考えた時に、必ず必要となるギアを上手に使いまわせればいいなと思い開発したのがこのマットです」。
本体がセパレートして足の部分がエアクッションとしても使えるスリーピングマットは、680gと超軽量なモデル。寝心地に一番影響のある上半身から腰の部分にはウレタンマットを内蔵。別売りのピローは固定できるので就寝姿勢もしっかりとキープできるそうだ。
3.ペグハンマー NAGURI & アルミ鍛造ペグ
もうすぐで販売開始となる予定のストレートタイプのペグハンマーと、アルミ鍛造ペグ。
「やっとお披露目できる形になってきました。バッグなどに引っかかりにくい収納効率のいいI字型のハンマーは、しっかりとパワーを伝えるのはもちろん、グリップの形状にこだわりました。せっかくなら、グリップ力とルックスを両立した魅せるハンマーに仕上げたかったんです。鍛造ペグは忍者のクナイをデザインイメージにしたアルミ製。しっかりとした大きさながら軽量なのがイチバンの特長ですね」。
4.遠州藍染めのランチョンマットとチョップスティックケース
「なにか地元の名産品である「遠州藍染め」を商品と組み合わせられないかなと考えている時に思いついたのが、オリジナルのテーブルに合わせたランチョンマットと箸袋でした。藍染めはデニム生地のように使っている人に合わせてエイジングされていく染め物なので、自分だけの1枚を育てていくのも面白いと思っています」。
5.マグカップスモーカーの試作品
煙が空気より重く下に落ちるという習性を活かしたマグカップで燻製器を考えています。ナッツなどの食べ物もいいですが、やはりウイスキーなどに風味をプラスするのがわかりやすいと思います。ひとまず原理を理解するためにウッドボディで作りましたが、製品として開発を始めるのであれば長年積み重ねてきた素材の知識をフルに使用して面白い商品に仕上げていきたいと思います」。
キャンプの回数をこなしていく度に、自分なりの楽しみ方や嗜好をプラスできるようになったと話す落合さん。大人な趣味を体感できるような斬新なニューアイテムの開発を今後も期待しちゃいます。
落合篤さん
デイトナにてツーリングギアやアパレルなどの開発を長年担当し、アウトドア部門の新設に合わせてチームリーダーに就任。長年培ってきた金属やファブリックの知識を活かしたアウトドアギアを日々、開発している。