【立ちごけ反省会】①あのとき、なぜバイクは倒れた?
【ピンチ1】あのとき、なぜバイクは倒れた?
ライダーにとって代表的なピンチといえば、「バイクを倒してしまった」状況です。当然ですが、タイヤが2本しかないバイクはとても不安定な乗り物。少しの操作ミスや判断を間違えてしまうことで、バイクは簡単に倒れてしまいます。「あっ」と思ったときにはもう手遅れ……。とくに危ないのは、Uターンの状況。さらに傾斜のある道路の場合は、ベテランでもそのシーンを嫌うほど、転倒のリスクがあります。「リスクがある」と分かっていれば、その状況自体を避けることも選択できるので、まずは危険な状況であるということを知っておきましょう。実際にカザマが直面した状況とどうすれば防げたのかを考えます。
【状況】それは初ロケ初日、登りの峠道でのことだった……
免許取得して数カ月後、初めての遠方ツーリングロケで訪れた三重県の登り峠道。見通しがいい場所で対向車が来ないことを確認したうえでUターンしようとして、バイクが転倒してしまいました。一転して大ピンチに
そこまで急な登り坂ではないと感じていたため、「大丈夫だろう」と思い、Uターンを判断。精神的に油断がありました。よくよく考えれてみれば、平地でのUターンは教習所で少し練習していましたが、傾斜がある状況では初めてのUターンでした
減速して右にハンドルを切りながら身体を傾けていくうちに、バイクの重さに耐えられずにそのまま転倒。車体がグラついた次の瞬間には、バイクとともにパタリと道路に倒れていました
転倒後少し時間が経ったあとのカザマの表情がこちら。落ち着いてきたもののなぜ無謀なUターンをしたのか、なぜ倒れたのかがまだ理解できず、放心状態
転倒の原因とは……?
【原因1】緊張で身体がガチガチだった
初めて訪れる場所で他のスポットを巡るスケジュールもあり、精神的な余裕がない状況でした。慣れないバイクに緊張で身体がガチガチに
【原因2】車体の重さに耐えきれなかった
乗っていたのは車重約200㎏+ほどのバイクでしたが、キャンプ道具を約15㎏積載。バイクの重さ自体に慣れておらず、身体にかかる重量に耐えらなかった
【原因3】バイクに慣れたつもりでいた
バイクに乗りはじめて3カ月ほど経ち少し慣れはじめた時期。心のどこかに油断があったのは否めない。「できるだろう」と思い、Uターンをする判断に
【解決】そもそもUターンしなくていい!
【その1】押して歩く
その場でのUターンに不安があるのなら、安全な場所まで移動してバイクを降りて、バイクを押して方向転換すればいい。乗り降りの際は道路の傾斜には十分注意
【その2】足を着いてゆっくり
路肩にバイクを一時停止させて片足を接地。ハンドルを切って、半クラッチで動き出す。すぐにクラッチを切って足を前方に着くを繰り返す。足着きがいいバイクなら両足接地で
【その3】安全な駐車スペースで
時間的に余裕があり路上で無理にUターンする必要がないならば、安全に停められる場所まで進んで広いスペースで方向転換するほうが安全安心
【その4】先の交差点で大回り
苦手ならその場でのUターンは諦める判断も大事。市街地などで脇道もあるなら、先の交差点から左折を繰り返して、元の道へ。最後に右折すればUターンと同じ状況になる
どうしてもUターンするなら……
上り坂
交通量が少なく見通しが良い状況に限定されるが、狭い坂道では図のようにUターンしよう。初めに頭を右に振って停車し、ハンドルを左に切りながら傾斜を利用してバック。最後に右に切って前進していく
下り坂
下りのほうがやや難しい。①の段階で90度以上(前輪より光栄んが低い位置になる)まで旋回し、②で下りの傾斜を利用して後退。必ず地面が高いほうに足を着くように(下り坂の場合は右足を接地)しよう